血液型による違い

初めに結論を記します。血液型によって性格が異なるとする考えは危険です。
そもそも血液型による性格の違いは証明されていません。多くのテレビ番組、雑誌などで血液型による性格判断が行われていますが、その根拠は否定されています。すでに血液型による性格診断は広く流布しており、内容は多くの人に知られています。にもかかわらず、それらによる影響を考慮していない実験が行われているのです。つまり、テレビ番組による実験の検証は正しくありません。
次に、血液型によって性格が異なるとされた場合の問題についてです。これは、血液型による性格診断が正しいかどうかとは関係ありません。例え血液型による性格診断が正しいとしても同じ問題が起こります。それは、先天的な属性による差別です。古来から、人間の先天的な属性による差別は多く行われてきました。たとえば、肌の色による差別や、男女差別などです。これらの差別は、合理的な根拠があってなされたものではなく、たまたま力のあった者、あるいは好戦的であった者が、そうでないものを抑圧するために行われたものです。そして、血液型による性格診断にも、同様の差別が行われる可能性があります。よく知られている性格診断の内容として、B型の人を非難するものがあります。なぜそう言われるようになったかは不明ですが、一つの合理的な理由として、B型の人が少なく非難しやすかったから、ということが挙げられます。これによって、B型の人だけが不当な差別を受けることになります。
よって、根拠がない血液型性格診断を正しいとする考えは危険です。
なお、ブラッドタイプ・ハラスメントという言葉もあります。血液型による差別を行った場合、ハラスメント行為として扱われることがあります。セクハラと同じく、自分の評価を貶める行為です。十分注意すべきでしょう。

追記

はてなキーワードの「血液型」にも言及があるようです。また、参考となるリンクを示しておきます。

血液型による違いは存在するか

もう一つ追記として、それではそもそも血液型による性格の違いは存在するかということについて考えてみたいと思います。これはかなり難しい問題であり、心理学の研究対象にもなっているとのことです。なのでここで簡単に考えただけのことが正しいとは思えませんが、個人の日記なので構わないでしょう。その程度のいい加減なものだと思っておいてください。
それで、血液型による違いは存在すると考えます。なぜ存在するか。実験による結果は正しくないと述べました。しかし、それは「血液型による影響はすでに流布していることを考慮していない」という前提がありました。しかし、実際問題として考えた場合、血液型による違いが存在するかどうかは、すでにその内容が知られているかどうかとは関係がありません。
つまり、血液型性格診断の内容がすでに知られていて、多くの人がその内容に影響されているのではないか。そして、血液型性格診断によって影響されているから、血液型による性格の違いは存在する、と思うのです。因果関係が逆ではないかと思っているわけです。いかがでしょうか。
この結論から考えると、血液型性格診断の内容を知らない人には、血液型性格診断はあてはまらないということも言えると思います。あるいは、そうでない特殊な事情も考えられます。たとえば僕は、両親からA型であると言われていました。そのとき両親は、両親と弟がA型だから僕もA型だと勝手に類推しただけだったようです。そのまま大学生まで、僕はずっと自分がA型であると思っていました。そして、僕の性格自体も几帳面と言われるA型の性格診断に当てはまるものでした。ところが、僕の血液型はA型ではなかったのです。献血したときの結果はO型でした。両親が僕の本当の両親ではなかったということは考えにくいしあまり考えたくないので、おそらく両親ともO型の因子を持っていた*1のでしょう。きわめて個人的な問題であり、たった一つのことからじゃなんとも言えないのですが、とりあえず僕の「血液型性格診断によって、血液型による性格の違いが現れる」という説に合致するものではあります。

*1:O型の因子は劣性遺伝なので、他の因子と重なった場合現れない。