電車男の中の人と2ちゃんねる管理人

朝日新聞に、電車男2ちゃんねる管理人の西村氏ではないか、というような記事が載っていました。あまりに短絡的な発想で、2ちゃんねるどころか、匿名掲示板の性質自体をまるで理解していないと思われる記事です。たまたま匿名掲示板で盛り上がった話題の主人公が2ちゃんねるの管理人が書き込んだレスだった、なんてほとんどあり得ないことです。2ちゃんねるにどれほどの人が書き込んでいるのか分かりませんが、匿名にも関わらずたまたま西村氏が発言した話題で盛り上がるなんて考えられません。
ついでに、まとめサイトを作った中の人が電車男じゃないか、なんて書き方もしてありました。こちらは、西村氏を電車男扱いするよりはマシですが、やはり大衆週刊誌の発想を出ないものです。なぜそう短絡的にしたがるのでしょう。普通に考えれば、スレを見ておもしろいと思ったどこぞの暇な人がまとめた、と思うでしょう。意図的に盛り上げたのではなく、たまたまおもしろかったから盛り上がったのだという発想が完全に欠落しています。どこかの大手広告代理店が、利益のために狙いすまして放ったプロジェクトではないのです。韓流ブームに対して、電通がその黒子ではないかと考えるのは、真偽はともかく妥当な考え方でしょう。しかし、匿名の書き込みに対してそのようなうがった見方をするのはとても一般的な発想とは言えません。
こんな自分勝手な記事が載るのを見て、ちょっと朝日新聞が批判される理由が分かったような気がします。中国の半日デモを見るまでもなく、ネットの影響力はすでに甚大なものになっています。今後、より一層、多くの意見を通じて世の中に影響を与えていければいいと感じます。もはや、情報は一部特権階級のおもちゃではなくなったのですから。