匿名報道の是非

犯罪被害者の匿名報道について、新聞にいろいろと出ています。そもそも、こんなことで1面に載せたりするのがちょっと理解できないのですが…。
結論から言えば、僕は匿名に賛成です。名前を明らかにするということは、それだけで二次被害につながります。特に女性の場合は顕著でしょう。第一、犯罪の被害者というだけでは何ら落ち度はないのに、名前を全国的に知らしめるという処罰的なことがなされるのがおかしいのです。自分の名前に関しては、肖像権と同等の取り扱いが必要だと思います。顔も名前も、自分を識別する大事な情報です。むやみやたらと公開すべき性質の情報ではありません。個人情報保護の観点から言えば、個人情報の中でもっとも大事なのは名前でしょう。なぜ、犯罪の被害者になったというだけで公開しなければならないのか、理解に苦しみます。
新聞の論調を見ても、名前を公開すべきときもあると思うというきわめてあいまいな論調で、かつ論拠を示していません。なぜ公開しなければならないのか、まったく述べられていないのです。根拠がなければ、公人であろうと著名人であろうと、公開する理由にはなりません。理由がないのに理由になるわけがないのです。
相手の意図を推測するというのは議論のタブーらしいのですが、それでもこんな調子では、紙面を埋めるのがつらいからそんなことを言いだしてるんじゃないかと疑いたくなります。