国民を愛さない国を愛せるか

朝日新聞の時流自論とかいうコラムに、こんなようなことが書いてありました。読んでしばらく経っても要旨がよく記憶に残る、分かりやすい文章でした。
で、その要旨は以下のものです。

  • 愛国心を持てと叫ばれている
  • 今の日本の若者が愛国心を持つことはないだろう
  • 愛国心を持つ国の国民は、自分の身近な人を愛している。一方、日本では子供が見殺しにされたり、親殺しなどの事件が起こっている
  • また、国家が国民を愛していない

まとめてみると強引な内容です。本当にこんな内容だったのか自信を持てなくなってきました。
終盤は、朝日新聞らしい権力への批判なのでどうでもいいんですが、序盤の問題提起は興味深いものがあります。国にしろ何にしろ、何かを愛するにはそれなりの理由が必要です。しかし、今の日本はひたすらに愛国心を押しつけるだけで、不器用すぎてとても愛せません。
そもそも愛国心なんて必要ないんじゃないかと思ったりもしますが、必要だとしても、もう少しやり方を工夫して欲しいものです。国旗や国家の強制をしている人たちは、むしろ日本を嫌って欲しがっているのではないかと思えてなりません。僕は、特に日本が好きなわけではないのですが、国民が国家に反感や嫌悪感を持つようにし向けることには、好感を持てません。そういう意味では、朝日新聞は書き方を何とかした方がいいでしょうね。全体的に、書き方に客観性が欠けています。
身近な人を愛するから愛国心が育つんだ、なんて強引な理屈だと思いました。しかし、keyword:愛国心を見ると、愛国心というのはそもそもそういうものらしいですね。家族や地域への帰属意識が、国という単位まで拡張されたのが愛国心と言うことらしいです。