日本人とアメリカ人のピーク

どこかで見かけたのですが、日本のゲームとアメリカのゲームでは、主人公の歳が違うのだそうです。もちろん、日本のゲームの主人公はすべて17歳とか、そんな決まりがあるわけではないので、あくまでも傾向ですが。
日本のゲームは、ファイナルファンタジーなどが代表的ですが、だいたいどれを見ても10代後半の人物が主人公であることが多いです。20代前半だと、完全に「お兄さん」や「お姉さん」ですよね。現実には、そんな歳であればまだまだ子供のような気がしますが。
一方、僕の知る限りだと、アメリカのゲームでは30代とか40代の主人公が珍しくありません。むくつけきおっさんたちが銃を振り回して敵を倒すイメージです。ゲームにリアリティなんて求めてもしかたがないのかもしれませんが、リアリティで言えば、30代や40代が戦う方が現実味があります。
このあたりは価値観の違いなのかも知れません。日本人は、10代が人生のピークだと思っている人が多いのではないでしょうか。その代表格が高校野球です。実力的にはプロ野球選手の方が上なのは多くの人が理解していると思いますが、プロ野球選手と高校球児のどちらが野球に対して夢中になっているかと言ったとき、高校球児の方が夢中になっていると考える人は少なくないに違いありません。一方で、アメリカの場合、高校時代の野球なんて、プロになるほどの人であれば、単なる下積みに過ぎず、高校時代に肩が壊れるまで投げまくるなんて理解できない世界でしょう。もっとも、日本人であっても、心情的に同情できるだけであって、実際にそれほどまでに努力を重ねている選手の気持ちは本人にしか分からないのだと思いますが。
このあたりは、日本人とアメリカ人の価値観の違いのような気がします。日本人はモチベーションを重視していて、アメリカ人は結果を重視していると思うのです。
日本人は10代がピークだと思っていて、それは、人生の中でもっとも物事に集中して取り組める時期だからなのではないでしょうか。一方でアメリカ人は30代がピークだと思っていて、それは、30代が人生の中でもっとも結果を出せる時期だからなのではないかと思うのです。
言い換えれば、日本人はプロセス重視で、物事に全力投球して悔いを残さずに取り組めれば結果は二の次という考え方で、アメリカ人は結果重視で、最終的に成功することが一番大事だと考えるのではないかと思うのです。
もちろん、全体の傾向としての話で、日本人でも結果重視の人はいるでしょうし、アメリカ人でもプロセス重視の人はいると思います。
もっとも、最近は日本でも結果を重視する考え方がだいぶ台頭してきたので、そのうちプロセス重視の考え方は駆逐されるのかも知れません。でも、ISOなどを見ていると、プロセスを診断する規格があったりして、国際社会はむしろプロセス重視の考え方をしているのかな、とも思えてきます。
日本はアメリカを追っているけど、国際社会は昔の日本の方を向いていて、アメリカと日本は両方とも国際社会の潮流から離れる方向に向かっているのかな、などと思います。