中国は世界の工場となりうるか

すでにかなり遅い話題ではありますが、改めて中国が世界の工場になりうるのだろうかと疑問を抱きました。そのきっかけはもちろん反日デモです。
中国で反日デモが起こるというのは、よく理解できます。歴史上の経緯と情報が統制されていることを考えれば、むしろこれまでまともな問題が起きなかったことの方が不思議です。抑圧的な国だったからこそ、これまでは大きな問題がなかったのでしょう。もっとも、僕が知らないだけで、これまでもいろいろとあったのかもしれませんが。
結局のところ、中国というのはそういう国だと考えざるを得ないと思います。この状況で、果たして中国は世界の工場となり得るのでしょうか。僕は、疑問に思わざるを得ません。日本にとっては特に不利ですが、日本に限らず、他の国にとってもこのような国情は問題でしょう。政治状況によって、いつ矛先が自国へ向かうか分からないからです。情報が統制され、一部の指導者に踊らされやすい現状では、どの国が被害者になってもおかしくはありません。現状で、日本の次にリスクの高い国は、おそらくアメリカではないかと思います。
国際的な投資を行う上では、リスクの評価がきわめて重要だと言われています。で、中国の現状を鑑みて、果たしてリスクが低いと言えるでしょうか。今の中国は、高いリスクによって低いコストを得ることができる、博打のような国ではないでしょうか。
もっとも、こんなことは僕なんぞより企業の経営者の方がよっぽどいろいろ考えているわけで、すでにリスク分散のために中国から撤退を検討したり、中国以外の国へ投資を考えている企業は多いようです。