遅さがすべてを台無しに

だるい。
とにかく何より先に、それを言わなければならないゲームです。ゲームとして優れている点はたくさんあります。音楽もビジュアルも優れています。システムも練り込まれていますし、ゲームバランスも優れています。しかしながら、一つ一つの動きが絶望的に遅く、プレイしていてストレスのたまるゲームです。
まず、走る動きがのろいです。たぶん、実際の人間が走ったらあの程度の足の運びになるのだと思いますが、派手な魔法を使いまくってる人間離れした登場人物の動きとしては、かなり違和感を感じます。また、一つ一つの会話も遅いです。ボタンを押してからの反応がなんとなく鈍いのです。
しかし、それよりも何よりも、戦闘シーンが圧倒的に遅いです。まず、戦闘開始時にカメラがグルグル回るエフェクトが5秒くらい続きます。テイルズシリーズなら、その5秒で戦闘が終わっています。さらに、攻撃するとき、ターゲット選択に3秒、1回の攻撃に3秒くらいはかかります。また、敵と味方の切り替わりに2秒、魔法のエフェクトでは短いものでも5秒以上、長いものだと20秒はかかっているでしょう。スクウェアRPGでも、ファイナルファンタジー6は、攻撃モーションがだいたい0.3秒で、次のキャラクターの入力画面が出るまでの時間も1秒程度だったでしょう。いくらなんでも遅すぎです。
戦闘の戦術性も優れています。敵に割り込まれない限り、好きなタイミングで好きなキャラを動かせるので、一人をずっと使い続けることも、3人を交互に使い続けることもできます。しかし、あまりに戦闘が遅すぎて、戦術を考えていても忘れてしまうのですが。
典型的なスクウェアの大作だと思います。派手さにとらわれるあまり、ゲームとしてのプレイのしやすさがないがしろになっています。僕はクリアに40時間ほどかかりましたが、たぶん、すべての処理を速くすれば、同じ内容が10時間で終わるでしょう。40時間のうち30時間はムダだったと思わされます。

文字数制限のため、追記

とにかくやることなすことにいちいち時間のかかるゲームですが、ストーリーは圧倒されるものがあります。次元や時間など、分かりづらいテーマであるにもかかわらず、あまり破綻が見られません。ただ、パラレルワールドは、自分が今どっちにいるのか分からなくなることが多いのですが。自分の所在地を確認できるのがワールドマップ上だけなのです。また、ほとんどすべての街やダンジョンがホームとアナザーの2ヶ所用意されており、これから行くべきなのがどちらなのか、いちいち探さなければなりません。

おまけ

背景が2Dでキャラクターが3Dってのが、ちょっと珍しいかもしれません。背景が3Dでキャラクターが2Dってのは、スターオーシャンやテイルズで見慣れていたのですが。戦闘画面は全部3Dですけど。