文書作成ソフト

最近はあまり聞きませんが、ちょっと前まで、文書作成ソフトの話題というのを見かけました。
そのとき、必ず言われていたのが、「Excelを文書作成に使うなんておかしい」ということです。Excel表計算ソフトであって文書作成ソフトではないのだから、それを文書を作るのに使うなんて変だ、という話です。
話としては非常によく分かるのですが、実務として考えると、違和感を覚えます。
要するに比較の問題なのですが、文書を作成するソフトとして比べたときに、Excelより優れたソフトがないのです。
Excelは文書を作るソフトではないので、画面で見たときと印刷したときの内容が異なっていて、ずれているということがよくあります。しかし、その問題を差し置いても、ExcelはWordより使いやすいのです。一太郎があれば話は別なんでしょうけど、自宅でも会社でも、一太郎を買うお金がありません。
Excelには印刷がずれると問題と、文書構造がデータとして保持されないという問題がありますが、その他には目立った問題がありません。と言うか、たぶん本当はたくさんあるんでしょうけど、実務上問題にならないのです。一方でWordは、デフォルトのスタイルが英文用で日本語にまったく合っていないとか、オートコレクトがうざったいとか、いちいち設定を直すのも嫌になるほど問題が満載です。オートコレクトは切ってしまえばいいのかもしれませんが、それはそれでWordの利点を捨てることになるわけです。落としどころとしては、調整してうまく使うべきと言ったところだと思います。でもそれがとにかく面倒なんです。
だいたい、アウトラインとか非常に美しいんですが、実際問題としていらないんですよね。Officeのドキュメントをスクリプトにかけたりしませんし。頭の中にあるものが相手に伝わればそれで終わりであって、それ以上何かをする必要はないと言ったときに、デフォルト値が日本語にまったく合っていないWordをいちいち調整する手間をかける理由がないのです。
ついでに言うと、評判の悪い方眼紙(Excelの列幅を行幅とそろえて方眼紙のように調整してドキュメントのインデントを合わせる)も、短時間で資料を作るにはなかなか便利なやり方です。見た目だって、少なくとも、シャーペンで白紙に書くよりずいぶんマシです。
そういうわけで、Excelを文書作成ソフトに使うのは悪くないと思います。とは言え、問題は山のように指摘されています。使うのなら問題点を把握して、その問題点を押し切るだけの動機があるときだけにすべきなのでしょう。